Exhibition

囚われ、脱獄、囚われ、脱獄
目を盗む

2016年3月19日(土)– 4月30日(土)


Imprisoned, Jailbreak, Imprisoned, Jailbreak
"Stealing Eyes"

木 ‒ 日 12:00-19:00 *月火水休

Artist:
オリバー・ビア Oliver Beer
磯谷博史 Hirofumi Isoya
ユーアン・マクドナルド Euan Macdonald
松原壮志朗 Soshiro Matsubara
高松次郎 Jiro Takamatsu
山根一晃 Kazuaki Yamane

Curation:
磯谷博史 Hirofumi Isoya

2013年10月にXYZ collective(東京・世田谷)で開催された「囚われ、脱獄」につづき、2回目の開催となる今回は、作家数・会場数ともに拡大し、実行委員会を組織する5名の作家(荒木悠、磯谷博史、五月女哲平、竹崎和征、山根一晃)が、各会場のキュレーションを担当します。
この展覧会の大きなテーマは「枠」を思考するものです。言語、国境、しがらみ、視野、物質、など、あらゆるすべてのものが持つ範囲、人が生きていく以上あらゆる場所に生成されてゆく「枠」。その既存の「枠」をアーティストは再構築できます。無くすことも、操ることも、飛び越えることも、意味の変容さえもおこすことができる。この展覧会は、よりよい現実を手にするための試行であり、アーティストの価値を改めて見直すことができる展覧会になると思っています。


オープニング レセプション
2016年3月20日(日) 18:00-21:00

Cooperation:
AOYAMA|MEGURO
CAPSULE
Galerie Thaddaeus Ropac
statements
XYZ collective

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「目を盗む」

あらためて印象深い初回の展示カタログを手にとると、そこには制度からの逃亡、その企てとしての制作が認められます。しかし、各作家は同時に辿り着いた制度の外側もまた別の制度でしかないことを知っていたのでしょう。ですから彼らはまた動き、また作り始めた。作家の立場、立ち位置から、囚われ脱獄、この景色が捉えられ、私たちをとりまく制度と、制作への態度が清々しさを伴って表明されていました。

二回目の逃亡は、この因習ともいえる私たちのジレンマ、囚われ脱獄を、作家ではなく作品に重ねたいと思います。つまり作者と観客に囚われた作品たちの脱獄として。
よい作品。そこには作者の意図、観客の理解、評論家の的を得た解釈さえもすり抜ける、ある力が備わっているように感じます。多くの目にさらされ、付け加えられたもっともらしい正解の数々から、いつまでも鮮やかに逃げきる作品。そうした作品が、歴史の中で新鮮で柔軟なアイデアを提供し続けてきたのだと思うのです。意味を固定化せず、運動の中にあり続ける作品。脱獄を繰り返す名作は観客だけでなく、作者さえも裏切り、作家もまたどこかで裏切られたいと感じています。

第二回の囚われ脱獄、この逃亡を目撃していただけたらと思います。

磯谷博史

http://toradatsu.teamblog.jp/